月はまた昇る 成田名璃子 ひと口読書感想

こんにちは。しいまです。

今回は、「月はまた昇る」のひと口読書感想です。

育休とか保活とか、子供のいないわたしでもちょっと思うところがたくさんあって、全然ひと口でまとまっていません(笑)

月はまた昇る

主な登場人物は3人です。

彩芽さん
不動産会社に勤めていて、街の開発事業のリーダーポジションのまま育休している。
会社からはこの4月の復帰が無理ならリーダーは下りてもらうとほのめかされているのに、保育園が決まらなくてめちゃくちゃ焦っている。

梨乃さん
外資系投資会社勤務の夫を持つ専業主婦でタワマンに暮らす元保育士。
まだ小さい子供2人が落ち着いたら、また保育士として働きたいと思っている。

敦子さん
経理契約社員として働いており、シングルマザーのため、子供を優先的に人気保育園に子供を預けられているけれど、子供と保育園の相性が悪くて悩んでいる。

この3人が地域コミュニティーのオフ会で知り合い、「自分たちの子供を通わせたい保育園を作っちゃおう」と立ち上がります。

「もうこの際、自分で保育園を作っちゃえばいいんじゃない?」と言い出したのは、保活にほとほと疲れた彩芽さん。

協力的な夫の完全バックアップもあり、彩芽さんは会社も辞めて本気で取り組みます。

一方、梨乃さんは夫から外で働くなんて世間体が悪いと言われているし、敦子さんはシングルマザーだから収入が不安定なことはしたくない。

最初は乗り気じゃない2人ですが、保育のプロ・経理のプロとして、彩芽さんに協力しているうちにどんどん本気になっていきます。

待機児童問題は深刻ですよね。

少子化、男性の育児休暇取得率、一億総活躍。

全部つながってますよね。

もうほんと一筋縄じゃいかない。

働くママが増える(というか、共働きじゃないと生活できない)なか、女性管理職を増やそうという国の動きに反してマミートラックに陥るママたち。

子供を産み育てるということは、つわりの体調不良に始まり、産休・育休を合わせれば何カ月も(子供を預ける場所が見つからなければ何年も)会社を休むことになり、子供を預けても子供の体調が悪ければ迎えに行くことになり、そうなったら会社で重要な仕事はまかせてもらえなくなります。

男性の場合、いくら本人が育休取得に積極的でも会社がそういう雰囲気じゃなかったり、収入面で考えると、育休だと給料全額もらえなくて有給なら給料全額もらえるから、10日くいらい会社休むなら、育休より有給のほうがお得って場合もあるし。

一億総活躍とか仕組み作ってから言ってほしい。

マイナンバーもコレ1つで万事OKって仕組み作ってから、カード作れって言ってほしい。(話ずれてるけど)

要は全然追い付いてないよって話。

たまには追い越してみろよって話。(土台無理か)

保活は自分じゃどうしようもないことばかりですが、状況を嘆いているだけじゃなくて、建設的に問題改善に取り組む3人が爽快です。